2008年12月05日
狙われた大リーガー

元ボストン・レッドソックスの剛速球投手エディ・ドナガンの息子E・Jが誘拐された。やがて犯人から連絡がはいり、かつてエディのエージェントをしていた弁護士ブレイディ・コインが身代金の受け渡し人に指名されたのだった。犯人の正体は、そして狙いは何なのか?
裏表紙ストーリー紹介より
ボストンの弁護士、ブレイディ・コインのシリーズの第3作です。
世界に1枚しかない切手を巡る事件に巻きこまれる、前作の「呪われたブルー・エラー」を初めて読んで、たちまちコインのファンになりました。
稀覯品がテーマの作品なら、レイモンド・チャンドラーの「高い窓」が有名ですし、メジャー球界の暗部に踏みこんだ本作も、ロバート・B・パーカーの「失投」などがすでにあって、とりたてて目新しい内容ではないものの、新作ごとに切り口を変えて飽きさせない筆力はなかなかのものです。
近作の「One Way Ticket」まで、共著も含めて26作も発表されているのにも頷けます。
ただ、邦訳はシリーズのなかばで中断しています。11作も続いていたから、てっきり読者の多いシリーズだと思いこみ、これからも順調に訳出されるだろうと疑いもしませんでした。もう、コインと再会できないのかなあ。
バーテンは髪の生えぎわが後退した、顔色のいい男だった。彼はおざなりに、わたしの前のカウンターをふいた。わたしはふきやすいように、肘をあげてやった。
「ご注文は?」
「ワイルド・ターキーをオンザロックスで。それから、ええと、オリーブをふたつ入れて」
「からかってるんですね」
「どうして?」
「オリーブをふたつ入れるんですか?」
「うん、もちろんだよ。オリーブをふたつだ」
彼はくるっと目玉をまわしてから、カウンターのはずれへ行った。そして、そこにすわっている男たちのひとりになにかいった。ふたりはにやにやしながら、こっちを見た。
さて、コインは交渉人として犯人に指定されたバーに行き、カクテル・オリーブ入りのワイルド・ターキーを注文するよう命じられます。
「どうぞ、ワイルド・ターキーのオンザロックです。オリーブもふたつはいっています。もしかして、カクテル・オニオンも入れたいって思ってらっしゃるんじゃないですか?マラスキーノ・チェリーはどうです?レモンのひねったやつは?扇形に切ったライムは?」
「いや、オリーブだけでいいんだ。ありがとう」
バーテンダーの冷ややかな応対にしどろもどろのコインですが、ヤッピーご用達のバーになるとちょっと事情が変わってきます。
ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダー・シリーズの「最高の悪運」には、つぎのようなバーが出てきます。

「バーボン」ケルプが言った。
バーテンダーはうなずき、その続きを待ったが、ケルプは言い終えていた。ついに、バーテンダーが尋ねた。「それから?」
「そうだな、グラスに入れてくれ。それから、氷も」
「それだけですか?」かすかな笑みがバーテンダーの口ひげの下に浮かんだ。「ここではそんな注文があまりないんですよ」
「でも、バーボンはあるんだな」ケルプが言った。
「ええ、もちろんです。でも、ほとんどの人はそれと何かを注文しますよ。スイート・ヴェルモットとか?チェリーとか?レモン・ツイストとか?オレンジ・スライスとか?ビターズとか?トリプル・セックとか?アマレットとか?」
「ほかにはいらない」
「承知しました」
どちらのやりとりにも否定的なニュアンスを感じるけれど、スイート・ヴェルモットもオレンジ・ビターもアマレットも、いずれもバーボンとの相性は悪くはなく、マラスキーノ・チェリーやピールも風味にアクセントをつけてくれます。そういったルールに縛られない大らかさがバーボンの魅力ですよね。
でも、さすがにオリーブは試したことがないです。
シリーズ・リスト
「チャリティ岬に死す」 サンケイ文庫 1986
「呪われたブルー・エラー」 サンケイ文庫 1986
「狙われた大リーガー」 サンケイ文庫 1987
「悪魔の仕事」 扶桑社ミステリー 1989
「ウィラーからの電話」 扶桑社ミステリー 1990
「ウィンザー・ハーバーの醜聞」 扶桑社ミステリー 1991
「探偵レス・カーツの遺言」 扶桑社ミステリー 1991
「残酷な季節」 扶桑社ミステリー 1993
「守秘義務」 扶桑社ミステリー 1993
「ケープ・コッドの罠」 扶桑社ミステリー 1995
「哀しみの絆」 扶桑社ミステリー 1995
シリーズ・リスト
「ホット・ロック」 角川文庫 1972
「強盗プロフェッショナル」 角川文庫 1975
「ジミー・ザ・キッド」 角川文庫 1977
「悪党たちのジャムセッション」 角川文庫 1983
「逃げだした秘宝」 ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫 1998
「天から降ってきた泥棒」 ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫 1997
「最高の悪運」 ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫 2000
「バッド・ニュース」 ハヤカワ文庫 2006
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この記事へのコメント
この間『ホットロック』CS放送してましたね 次の日が『ペイバック』でした NHKもやるなあとにやっとしてしまいましたよ
むう、美味しいバーボンは手を掛けずにいただきたいです ストレートで呑むことがほとんどですね
野球ミステリ?では『ストライクスリーで殺される』っていうのありませんでしたっけ?
むう、美味しいバーボンは手を掛けずにいただきたいです ストレートで呑むことがほとんどですね
野球ミステリ?では『ストライクスリーで殺される』っていうのありませんでしたっけ?
Posted by あっきー at 2008年12月05日 22:54
>元魔窟バー店主さま
何でしたら、今なら魔王従属契約祭&日帰り出張で、財布も体も予定も身動きできない一号様(笑)を出し抜いて、あっきーさまと愛の逢瀬のチャンスですぜ。(爆)
まあ、当店の後は、すぐ近くにラブホテルが山程あるのでドウゾ。バキッ!
何でしたら、今なら魔王従属契約祭&日帰り出張で、財布も体も予定も身動きできない一号様(笑)を出し抜いて、あっきーさまと愛の逢瀬のチャンスですぜ。(爆)
まあ、当店の後は、すぐ近くにラブホテルが山程あるのでドウゾ。バキッ!
Posted by 赤枝騎士 at 2008年12月06日 05:32
え~、あたくしむちむちなおねえちゃんが良いんですけどね・・
大阪に行って赤枝様のところで呑んでも帰りに寝る場所だけは確保できそうですねえ
この間仕事の先輩から余市をいただきました これをストレートで呑みながら昨夜は本読んでいたのですが、美味しかったです
ジャパニーズウイスキーの漢字名の銘柄を初めて呑んだのですけど呑みやすいですね
響とかは高そうなんでお店ではほとんど呑まなくって、もっぱら角とブラックニッカばっかりだったんですけど、これからジャパニーズも呑んでみます
大阪に行って赤枝様のところで呑んでも帰りに寝る場所だけは確保できそうですねえ
この間仕事の先輩から余市をいただきました これをストレートで呑みながら昨夜は本読んでいたのですが、美味しかったです
ジャパニーズウイスキーの漢字名の銘柄を初めて呑んだのですけど呑みやすいですね
響とかは高そうなんでお店ではほとんど呑まなくって、もっぱら角とブラックニッカばっかりだったんですけど、これからジャパニーズも呑んでみます
Posted by あっきー at 2008年12月06日 13:16
>あっきーさま
ちなみに、元魔窟バー店主も今は、あっきーさん好みにムッチムッチっすよ~。(爆)
まっ、真実な事なのでそれはさておき。オヒ
日本のウイスキーの10年物は、市価3千円代で非常に質が良いので、オススメで~す。(・ω・)/
是非、色々飲んでみて下さいね~。(・ω・)/
ちなみに、元魔窟バー店主も今は、あっきーさん好みにムッチムッチっすよ~。(爆)
まっ、真実な事なのでそれはさておき。オヒ
日本のウイスキーの10年物は、市価3千円代で非常に質が良いので、オススメで~す。(・ω・)/
是非、色々飲んでみて下さいね~。(・ω・)/
Posted by 赤枝騎士 at 2008年12月07日 14:36
なんてコメントすればよいのやら。
Posted by THE WHISKEY
at 2008年12月08日 12:11
at 2008年12月08日 12:11>THE WHISKEYさま
>なんてコメントすればよいのやら。
余りに事実しか書いてないから、反論の余地がこれっぽっち無いと言うことで、書けない訳ですな。(爆)
>なんてコメントすればよいのやら。
余りに事実しか書いてないから、反論の余地がこれっぽっち無いと言うことで、書けない訳ですな。(爆)
Posted by 赤枝騎士 at 2008年12月09日 15:09



